FX基礎知識
日米の金利差は自分で計算できる|2年2.93%・10年2.23%
「日米金利差」は、解説を読まなくても自分で出せます。2026年9月30日の数字なら、2年で2.928%、10年で2.233%。材料は米財務省と日本の財務省が無料で出している利回りのCSVだけです。押さえる順番は3つ。①どの数字とどの数字を引くか、②2年と10年で何が違うか、③日付と表記のズレをどう揃えるか。この順で手を動かすと、ニュースの「金利差」が自分の数字になります。

そもそも日米金利差とは何か?
同じ期間の国債利回りを、米国から日本で引いた数字です。ニュースでは単に「金利差」と言われますが、どの期間の利回りかで値が変わります。よく使われるのは2年と10年の2本です。
政策金利どうしの差を指すこともあります。ただ政策金利は会合のたびにしか動きません。国債の利回りは毎営業日動きます。市場が日々どう見ているかを知りたいなら、国債の利回りを使います。
単位はどちらも年率の%です。差は「%ポイント」で表します。2.93%ではなく2.93%ポイント。細かい話ですが、ここを混ぜると後で計算を取り違えます。
9月30日の数字を引き算すると
2年は4.88%−1.952%で2.928%ポイント。10年は5.29%−3.057%で2.233%ポイントです。米国側は米財務省のイールドカーブ、日本側は財務省の「国債金利情報」の同じ日付の値を使いました。
| 2026年9月30日 | 米国債 | 日本国債 | 差(米−日) |
|---|---|---|---|
| 2年 | 4.88% | 1.952% | 2.928%ポイント |
| 5年 | 5.09% | 2.399% | 2.691%ポイント |
| 10年 | 5.29% | 3.057% | 2.233%ポイント |
| 30年 | 5.64% | 4.098% | 1.542%ポイント |
期間が長くなるほど、差は縮んでいます。2年で約2.9、30年で約1.5。日本の利回りが長い期間ほど高くなる角度が、米国より急だからです。どの期間を見るかで、金利差は倍近く違う数字になります。

データの取り方は3つの手順
米国は米財務省の「Daily Treasury Par Yield Curve Rates」から年別のCSVを落とします。日本は財務省の「国債金利情報」で、当月分か全期間のCSV。あとは同じ日付の行どうしを並べて引き算するだけです。
- 米国:米財務省のページで年(2026)を選び、CSVを保存。列は「2 Yr」「10 Yr」などです。
- 日本:財務省の国債金利情報で、当月分のCSV(10月分なら10月1日以降)か、過去分を含む全期間のCSVを保存。列は「2年」「10年」です。
- 揃える:同じ日付の行を探し、同じ期間の列どうしを引きます。表計算ソフトなら1行の式で済みます。

私が全期間ファイルを開いたときは、日本側の9月30日の行がこう並んでいました。1年1.684、2年1.952、5年2.399、10年3.057、30年4.098。米国側の同じ日は2年4.88、10年5.29です。小数点以下の桁数が日米で違うのも、この時点で気づきます。
2年と10年は何が違うのか?
2年は政策金利の見通しが効きやすく、10年は景気や物価の見通しが効きやすい数字です。2本を並べると、市場の見方が「金融政策の話」なのか「経済全体の話」なのかを切り分けやすくなります。
9月は日米とも政策金利が動いた月でした。日銀は9月18日に政策金利を1.25%程度へ引き上げています。こういう月は、まず2年の差を見ます。中央銀行の次の一手をいちばん素直に映すのが2年だからです。

10年の差は、もっとゆっくりした話です。物価がどこへ落ち着くか、成長がどうなるか。2年の差だけが縮んで10年が動かない日は、政策の見方だけが変わった日と読めます。
1日で動く幅は0.08ポイント台
9月30日から10月1日の1営業日で、2年の差は2.928から2.841へ0.087ポイント縮みました。10年は2.233から2.148へ0.085ポイントです。米国の利回りが2年で0.10、10年で0.05下がったのが主因です。日本は2年が0.013下がり、10年は0.035上がりました。
| 期間 | 9月30日の差 | 10月1日の差 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 2年 | 4.88−1.952=2.928 | 4.78−1.939=2.841 | −0.087 |
| 10年 | 5.29−3.057=2.233 | 5.24−3.092=2.148 | −0.085 |
0.087ポイントは8.7ベーシスポイントです。1日でこのくらいは普通に動きます。だから「金利差は約3%」のような丸めた数字は、何日の値かを添えないと意味が薄い。自分で計算するなら、日付を必ず一緒に残してください。
初心者がやりがちな失敗は?
いちばん多いのは、日付の書式を読み違えて別の日どうしを引いてしまうことです。米国のCSVは「09/30/2026」、日本のCSVは「R8.9.30」と和暦で書かれています。R8は令和8年、つまり2026年です。

- 期間を揃えずに引く:米国の10年から日本の2年を引くと、意味のない数字になります。
- %と%ポイントを混ぜる:差は%ポイント。「金利差が10%縮んだ」と書くと、別の意味になります。
- 祝日のずれを無視する:日米で休場日が違うので、片方にしか行がない日があります。その日は飛ばします。
- 金利差だけで方向を決める:金利差はレートを動かす材料の1つにすぎません。この数字から売買の判断を出さないでください。
- スワップポイントと同じだと思う:FX口座のスワップは業者が日々決める数字で、国債の金利差とは別物です。
2つのCSVを落とし、同じ日付の2年と10年を引く。結果に日付を付けてメモしておく。それだけで、ニュースの「金利差」を検算できるようになります。指標と同じで、定義から入るのが結局は早い道です。経済指標の読み方は米国GDP速報の記事も参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 2026年9月30日の日米金利差はいくつですか?
米財務省と日本の財務省の公表値で計算すると、2年が4.88%−1.952%で2.928%ポイント、10年が5.29%−3.057%で2.233%ポイントです。期間によって差の大きさが変わります。
Q. 日米の国債利回りのデータはどこで手に入りますか?
米国は米財務省の「Daily Treasury Par Yield Curve Rates」、日本は財務省の「国債金利情報」です。どちらもCSVで無料公開されていて、登録はいりません。
Q. 2年と10年、どちらの金利差を見ればいいですか?
目的で分けます。中央銀行の政策の見通しを見たいなら2年、景気や物価の長い見通しを見たいなら10年です。両方を並べると、何が変わったのかを切り分けやすくなります。
Q. 金利差は1日でどのくらい動きますか?
2026年9月30日から10月1日では、2年の差が0.087ポイント、10年の差が0.085ポイント縮みました。この程度の変化は珍しくないので、金利差を書くときは日付を添えます。
Q. 金利差が広がれば円安になりますか?
そうなる局面もありますが、決まった関係ではありません。為替は金利差のほかに、貿易や資本の流れ、介入などでも動きます。金利差は材料の1つとして扱ってください。
- 一次情報:
- U.S. Department of the Treasury「Daily Treasury Par Yield Curve Rates」(2026年9月30日・10月1日の2年・5年・10年・30年/2026年10月3日確認)
- 財務省「国債金利情報」(令和8年9月30日・10月1日の各年限/2026年10月3日確認)
- 挿絵:いらすとや
最終更新:2026年10月3日