トレード戦略
日銀10月会合は1.25%据え置き、反対1票は1.5%案|次に出る資料の日付と時刻
日本銀行は10月30日の金融政策決定会合で、短期の政策金利を1.25%程度に据え置きました。採決は賛成8・反対1。反対した高田委員は、1.5%程度への引き上げを提案して否決されています。見方は3つ。①反対1票の中身、②同じ日に全員一致で決まったETF売却の見直し、③このあと出る資料の日付と時刻。この順で押さえると、会合のあとに何を待てばいいかが分かります。
そもそも今回の会合で何が決まったのか?
決まったことは2つです。金融市場調節方針(政策金利)の据え置きと、保有するETFの売却ペースの引き上げ。前者は賛成8・反対1、後者は全員一致でした。
会合は10月29日(木)の14時〜16時と、10月30日(金)の9時〜11時55分の2日間。公表文は30日の12時02分に出ました。日銀の公表文「当面の金融政策運営について」から書き写します。
| 項目 | 決定 | 採決 |
|---|---|---|
| 無担保コールレート(オーバーナイト物) | 1.25%程度で推移するよう促す(据え置き) | 賛成8・反対1 |
| ETFの売却ペース | 年3,300億円程度→8,600億円程度(簿価) | 全員一致 |
| J-REITの売却ペース | 年50億円程度(簿価)のまま | ― |

見方①:反対1票の中身を読む
反対したのは高田創審議委員。提案は「1.5%程度」への引き上げでした。据え置きに反対した1票は、利上げ側の1票です。
公表文の2ページ目に、賛成した8人の名前と、反対の理由が載っています。高田委員は、基調的な物価が「物価安定の目標」に達したと見ています。そのうえで、中立金利に近づけるペースを速める新しい局面に入った、と主張しました。議案は反対多数で否決です。
ここで見るのは票の数より向きです。反対が利下げ側なら、委員会の中に「緩めたい」人がいることになります。今回は逆。据え置きより強い政策を求めた人が1人いた、という形です。0.25%幅の差を、1人が具体的な数字で示しました。
見方②:ETFの売却ペースを確かめる
日銀は保有ETFの売却を、年3,300億円程度から8,600億円程度(どちらも簿価)へ引き上げると決めました。実施は2027年1月からです。
日銀は2026年1月にETFの売却を始めています。当初は、市場全体の売買代金に占める売却の割合を0.05%程度にする規模でした。今回はそれを0.1%程度に上げます。注記によると、8,600億円を時価に換算すると年2兆4,600億円程度。市場の状況によって、一時的な調整や停止ができる点は従来どおりです。

為替との関係は、金利の決定ほど直接ではありません。ただ、同じ日の公表文に並んでいるので、見出しだけ読むと、売却ペースが約2.6倍(筆者計算)になった話が、金利の話と混ざりがちです。2つは別の議案で、採決も別。そこだけは分けて読みます。
見方③:次に出る資料を時刻順に並べる
会合のあとも、日銀の資料は日付と時刻を決めて順に出ます。公表文3ページ目と日銀の会合日程表から並べると、次の6つです。
| 日付 | 時刻 | 出るもの |
|---|---|---|
| 11月2日(月) | 14時 | 展望レポート(背景説明を含む全文) |
| 11月5日(木) | 8時50分 | 9月会合の議事要旨 |
| 11月10日(火) | 8時50分 | 10月会合の主な意見 |
| 12月17日(木)・18日(金) | ― | 次回の金融政策決定会合 |
| 12月23日(水) | 8時50分 | 10月会合の議事要旨 |
| 12月28日(月) | 8時50分 | 12月会合の主な意見 |
いちばん早く中身が分かるのは、11月10日の「主な意見」です。9人がどんな意見を出したかが、名前を伏せて並びます。高田委員以外にも利上げに近い意見があったか。ここで確かめられます。議事要旨はもっと詳しい代わりに、次の会合のあとまで出ません。
米国側の材料は時差に注意です。米国は11月1日に冬時間へ戻り、日本との差は14時間になりました。米国の指標を日本時間で読む手順は、日米の金利差は自分で計算できると合わせて押さえておくと迷いません。
初心者がやりがちな読み違いは?
多いのは3つです。反対票の向きを見ない。ETFの話を金利の話と混ぜる。主な意見と議事要旨の順番を取り違える。

- 反対票を「割れた」とだけ読む:今回の反対は利上げ側。利下げ側の反対とは意味が逆です。
- ETF売却を金融政策の変更と混ぜる:政策金利は据え置き。ETFは別の議案で、実施は2027年1月から。
- 議事要旨を先に待つ:10月会合の議事要旨は12月23日。先に出るのは11月10日の主な意見です。
主な意見は、9人の意見を項目ごとに並べた資料です。「利上げ」「中立金利」「ペース」という言葉がいくつ出てくるか。それを数えてメモしておくと、12月17日・18日の会合の前に、委員会の空気を数字で比べられます。
よくある質問(FAQ)
Q. 日銀の10月会合で政策金利はどうなった?
1.25%程度で据え置きです。2026年10月30日の会合で、賛成8・反対1で決まりました。
Q. 反対したのは誰で、何を提案した?
高田創審議委員です。無担保コールレートを1.5%程度に引き上げる議案を出し、反対多数で否決されました。
Q. ETFの売却ペースはどう変わった?
年3,300億円程度から8,600億円程度(どちらも簿価)に引き上げられました。実施は2027年1月からで、全員一致の決定です。
Q. 次の日銀会合はいつ?
12月17日(木)・18日(金)です。その前に、11月10日(火)8時50分に10月会合の主な意見が公表されます。
- 一次情報:
- 日本銀行「当面の金融政策運営について」(2026年10月30日公表・決定内容・採決・反対理由・公表日時)
- 日本銀行「金融政策決定会合の運営」開催日程(次回会合・主な意見・議事要旨の公表日)
- 金融庁「いわゆる外国為替証拠金取引について」
数値と日程は2026年11月1日に日本銀行のサイトで確認しました。売却ペースの倍率は筆者の計算です。写真:São Paulo - Skyline by night(flickr・Openverse経由のCC0)。イラスト:いらすとや
最終更新:2026年11月1日