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トレード戦略

カナダ9月CPIは3.1%でもガソリン抜きは2.2%|総合とコアが逆を向いた月の読み方

2026年10月24日

カナダ統計局が10月19日に出した9月の消費者物価指数(CPI)は、前年比3.1%でした。8月の3.0%から少し上がっています。押し上げたのはガソリンで、前年比27.8%。ガソリンを除くと2.2%で、8月の2.4%から下がりました。総合と中身が逆を向いた月です。見方は3つ。①ガソリン抜きの数字を横に置く、②中央銀行のコア指標3本を並べる、③前年比と前月比を分ける——この順で読むと、初心者がやりがちな「3.1%の見出しだけでカナダドルに飛び乗る」が減ります。

投資判断は自己責任でお願いします。FXは差金決済取引で、為替変動やレバレッジにより証拠金の額を上回る損失が生じるおそれがあります(元本が保証される商品ではありません)。本記事は統計の公表資料の読み方を扱う教育目的の解説で、相場の予想や特定の取引・利益を保証するものではありません。制度は金融庁の公式情報をご確認ください。

そもそもカナダのCPIはいつ出るのか?

毎月1回、カナダ統計局が公表します。時刻は東部時間の8時30分。9月分は10月19日(月)で、日本時間では21時30分でした。次の10月分は11月16日(月)です。

北米は11月1日に冬時間へ移ります。8時30分は同じでも、日本時間は1時間ずれる。11月16日は22時30分です。

対象月公表日(現地)日本時間
2026年9月分10月19日(月)8時30分10月19日 21時30分
2026年10月分11月16日(月)8時30分11月16日 22時30分

間にカナダ銀行の政策金利の発表があります。10月28日(水)の日本時間22時45分です。9月のCPIは、この会合の前に出る最後の物価統計になります。

見方①:ガソリン抜きの数字を横に置く

9月の総合は3.1%。ガソリンを除くと2.2%です。差は0.9ポイント。この差は、ガソリン1品目が全体をどれだけ押し上げているかの目安になります。

ガソリンスタンドの給油機のイラスト
9月のガソリンは前年比27.8%。8月は22.8%だった

カナダ統計局は、原油価格が9月に5月以来の高さになったと書いています。背景は中東の戦争をめぐる先行きの不安です。エネルギー全体では前年比19.0%。8月の15.4%から加速しました。

暖房に使う灯油などは57.8%。大西洋側の州ほど影響が大きい、とも書かれています。ガソリンは9月に安い冬用の配合へ切り替わるので、その分は値上がりを抑えた側に入っています。

項目(前年比)8月9月向き
総合CPI3.0%3.1%上
ガソリンを除くCPI2.4%2.2%下
ガソリン22.8%27.8%上
店頭の食品2.8%1.7%下
住居費1.5%1.8%上
家賃2.8%2.8%横ばい

店頭の食品は1.7%。2024年5月の1.5%以来の小ささです。生鮮野菜がマイナス2.9%、砂糖・菓子がマイナス2.7%でした。ただし2020年9月と比べると、食品の値段は33.0%上がったままです。

スーパーの冷蔵ショーケースのイラスト
店頭の食品は1.7%。伸びは2か月続けて総合より小さい

見方②:中央銀行のコア指標3本を並べる

カナダ銀行は、値動きの激しい品目の影響を抑えたコア指標を3本使います。CPI-trim、CPI-median、CPI-commonです。9月は3本とも8月より下がりました。

コア指標(前年比)7月8月9月
CPI-trim1.9%1.9%1.8%
CPI-median2.0%2.0%1.9%
CPI-common2.7%2.6%2.4%
粉をふるいにかけるイラスト
trimは上下の端を落とし、medianは真ん中を取る

trimは、品目ごとの値上がり率を並べて上と下の端を切り落とした平均です。medianは、その真ん中の値。commonは、多くの品目に共通する値動きだけを取り出したものです。どれも、間接税の変更の影響を除いて計算されています。

ガソリンのような一部の品目が跳ねても、trimとmedianでは端として切り落とされやすい。だから総合が上がった月に、コアが下がることが起きます。9月はまさにその形でした。カナダ銀行の物価目標は2%で、trimとmedianはその近くにあります。

見方③:前年比と前月比を分ける

見出しの3.1%は前年比です。前月比は0.1%。季節調整をかけた前月比は0.4%でした。3つは別の数字です。

前年比は、1年前と比べた値段の差。前月比は、先月と比べた差です。季節調整済みは、毎年同じ時期に起きる上がり下がりをならした数字。9月は季節要因で値段が下がりやすい月なので、調整前の0.1%より調整後の0.4%が大きく出ています。

ニュースが「物価上昇が加速」と書くのは前年比の話です。直近1か月の勢いを見たいなら、季節調整済みの前月比を見る。どちらの数字の話をしているかを、まず確かめます。

初心者がやりがちな失敗は?

いちばん多いのは、総合の3.1%だけで「物価が強いから利上げ」と決めつけることです。9月は、ガソリンを除いた数字もコアも下がっていました。

10月28日22時45分と11月16日22時30分をカレンダーに入れる

やることは2つ。カナダ銀行の発表を10月28日の22時45分で登録する。次のCPIを11月16日の22時30分で登録する。その日に見る行は「総合・ガソリン抜き・trim・median」の4つに絞っておきます。ほかの中央銀行の日程はECBの10月29日の見方で整理しています。

よくある質問(FAQ)

Q. カナダの9月CPIはいくつだった?

前年比3.1%です。8月の3.0%から上がりました。前月比は0.1%、季節調整済みの前月比は0.4%。カナダ統計局が2026年10月19日に公表しました。

Q. ガソリンを除くとどうなる?

2.2%です。8月の2.4%から下がりました。ガソリンは前年比27.8%で、総合を押し上げた一番の要因です。

Q. カナダ銀行が見るコア指標は?

CPI-trim、CPI-median、CPI-commonの3本です。9月はtrimが1.8%、medianが1.9%、commonが2.4%で、3本とも8月より下がりました。

Q. 次のカナダCPIはいつ?

10月分が2026年11月16日(月)の東部時間8時30分です。北米は11月1日に冬時間へ移るので、日本時間は22時30分になります。

拓
拓(ヲタクの拓)
FXヲタク運営者。テクニカル分析と経済指標の読み方を「事実ベース」で解説。制度の話も、公表元の原文まで戻って確かめる派。

数値と公表日は2026年10月24日にカナダ統計局のサイトで確認しました。日本時間は筆者が時差から計算しています。写真:Toronto skyline at night(Flickr・パブリックドメイン)/挿絵:いらすとや

最終更新:2026年10月24日