トレード戦略
ECBの10月29日は見通しが出ない回|日本時間22時15分と預金金利2.50%
欧州中央銀行(ECB)の次の金融政策の発表は2026年10月29日(木)です。2日間の理事会の2日目で、決定は日本時間22時15分、総裁会見は22時45分。この回は、物価と成長率のスタッフ経済見通しが出ない回です。見方は3つ。①見通しの有無で会合の重さを分ける、②9月に上げた3本の金利を控える、③冬時間で時刻を数え直す——この順で準備すると、初心者がやりがちな「会見の一言にユーロ円で飛び乗る」が減ります。
そもそもECBの理事会はいつ開かれるのか?
金融政策を決める理事会は、およそ6週間ごとに年8回です。2026年の残りは10月28〜29日と12月16〜17日の2回。どちらも2日間で、決定は2日目に出ます。
ECBの公式カレンダーには、10月28日に「monetary policy meeting(Day 1)」、29日に「Day 2」と「Press conference」が並んでいます。11月25日にも理事会がありますが、こちらは「non-monetary policy meeting」。金利を決める会合ではありません。カレンダーの名前で見分けます。

| 日付(2026年) | 中身 | 経済見通し |
|---|---|---|
| 9月9〜10日 | 金融政策の理事会(0.25%利上げ) | あり(ECBスタッフ) |
| 10月28〜29日 | 金融政策の理事会・29日に会見 | なし |
| 11月25日 | 金融政策以外の理事会 | — |
| 12月16〜17日 | 金融政策の理事会・17日に会見 | あり(ユーロシステム) |
見通しは3月・6月・9月・12月の年4回です。3月と9月はECBのスタッフ、6月と12月は各国の中央銀行も加わったユーロシステムのスタッフがまとめます。
見方①:見通しの有無で会合の重さを分ける
見通しつきの回は、政策金利の決定に加えて、2028年までの物価と成長率の数字が更新されます。10月はその更新がない。手元の材料は、9月に出た見通しのままです。
9月のECBスタッフ見通しは、ユーロ圏の物価上昇率を2026年3.0%、2027年2.5%、2028年2.1%としました。2027年と2028年は6月の見通しから上方修正です。10月の会見で総裁が物価の話をするとき、比べる基準はこの3つの数字になります。
見通しのない回は、声明文の言い回しと会見の質疑が中心です。数字の更新がない分、言葉の差に反応が集まりやすい。12月17日には数字が出るので、10月は「12月の前置き」として聞くと位置づけがはっきりします。

見方②:9月に上げた3本の金利を控える
ECBの政策金利は1本ではありません。9月10日の理事会で、3本とも0.25%ずつ上がりました。新しい水準は9月16日から適用されています。
| 金利 | 9月の決定後 | 役割 |
|---|---|---|
| 預金ファシリティ金利 | 2.50% | 銀行がECBに預けるときの金利。ニュースの「政策金利」はたいていこれ |
| 主要リファイナンス・オペ金利 | 2.65% | 銀行が1週間お金を借りるときの金利 |
| 限界貸出ファシリティ金利 | 2.90% | 翌日までの借り入れの上限になる金利 |
3本の間隔は0.15%と0.25%で固定されています。10月に動くなら3本そろって動くので、まずは預金金利が2.50%から変わったかを見ればいい。9月のユーロ圏の物価は速報で前年比3.8%でした。目標の2%からの距離は、この数字で測ります。
見方③:冬時間で時刻を数え直す
ECBの決定は中欧時間の14時15分、会見は14時45分です。欧州は10月25日(日)に冬時間へ移り、日本との時差が7時間から8時間に広がる。9月10日は日本時間21時15分でしたが、10月29日は22時15分です。

同じ週の29日には、米国の7-9月期GDP速報も日本時間21時30分に出る予定です。米国の夏時間は11月1日まで続くので、こちらはまだ夏時間の時刻。ユーロ円とドル円を両方見る人は、21時30分と22時15分の45分差を手帳に書いておきます。
発表の前後はスプレッドが広がったり、注文が思った値段で約定しなかったりする。だから時刻は、自分で数え直したものをカレンダーに入れます。
初心者がやりがちな失敗は?
いちばん多いのは、8回の会合を同じ重さで扱うことです。見通しのある回とない回では、出てくる数字の量が違う。次に多いのが、3本の金利のどれを見ているか分からないまま数字を比べることです。
- 見通しの有無を見ない:10月はなし。次は12月17日。
- 金利を1本だと思う:預金2.50%・主要2.65%・限界2.90%。
- 時差を夏時間のまま数える:10月29日は21時15分ではなく22時15分。
やることは2つ。ECBのカレンダーで29日が金融政策の理事会だと確かめ、日本時間22時15分と22時45分で登録する。21時30分の米GDPも同じ日に入れておく。英中銀の11月5日は報告書つきの回の見方で整理しています。
よくある質問(FAQ)
Q. ECBの次の金融政策の発表はいつ?
2026年10月29日(木)です。決定の公表は中欧時間14時15分=日本時間22時15分、記者会見は14時45分=22時45分。欧州は10月25日に冬時間へ移るので、9月より1時間遅くなります。
Q. 10月の会合で経済見通しは出る?
出ません。スタッフによる物価と成長率の見通しは年4回で、2026年の残りは12月16〜17日の会合です。10月は決定と声明と会見だけの回です。
Q. いまのECBの政策金利は?
9月10日の会合で3本とも0.25%上げ、預金ファシリティ金利2.50%・主要リファイナンス・オペ金利2.65%・限界貸出ファシリティ金利2.90%になりました。適用は9月16日からです。
Q. 見通しが出ない回はユーロが動かない?
そうとは限りません。決定や会見の内容が市場の予想とずれれば動きます。FXは証拠金の額を上回る損失が生じるおそれのある取引です。発表前に損切り位置と枚数を決めてください。
- 一次情報:
- European Central Bank「Meetings of the Governing Council and General Council」(10月28〜29日・11月25日・12月16〜17日)
- European Central Bank「Press releases」(9月10日の金融政策決定・9月のスタッフ経済見通し)
- 金融庁「いわゆる外国為替証拠金取引について」
日付と時刻は2026年10月20日にECBのサイトで確認しました。写真:Frankfurt's Skyline night(rawpixel・CC0)/挿絵:いらすとや
最終更新:2026年10月20日